[ブログ] フルカラー印刷で個別名入れがしたい時は?【意外に少ない!珍しい?】

公開日:2018年5月最終公開日:2024年2月

お世話になっております。

『刻印名入れ.com』 株式会社トレジャー 服部です。

 

今回は、革小物へのフルカラー印刷の受注をスタートしたこともあって、

最近、よくご依頼をいただくことが多くなりました

【フルカラー印刷】 について情報をいろいろとまとめてみます。

 

「フルカラー印刷」の種類などの説明と、

いまやフルカラー印刷のスタンダードとなっております

「UVインクジェット印刷」の説明、

最終は「フルカラー印刷」「個別名入れ」をしている

珍しい名入れ対応をご紹介をしたいと思います。

 

 

■フルカラー印刷って、高い??

 

グッズへの印刷というと、通常は特色1Cなどの印刷が多いです。

 

昔からフルカラー印刷は要望はとてもあるのですが、

印刷単価がかなり高くて断念することが多い印刷方法でした。

 

[昔からある代表的なフルカラー印刷]

 「バッグへのデジタル熱転写印刷」

 ⇒デザイン版、ノリ版の版代や転写紙その物が高単価。

  素材の上に乗っかった感がある。

  版が必要な為、デザインは同一のみ。

 「化学繊維商品への昇華転写印刷」

 ⇒ポリ系素材のみに印刷が出来ますが、コットンなどでは不可。

  糸そのものに色が染み込むので素材感を活かせられるが、

  滲みやすく、個体差・色ムラが出やすい。

 

(昇華転写のフルカラー例)

 

フルカラー印刷は、印刷としてやっぱりわかりやすく、かつ派手なので、要望圧は高めです。

 

パソコンから年賀状の印刷など

簡単にフルカラー印刷ができるこの時代で、

グッズへのフルカラー印刷の単価がそんなにするのか?

というくらいのお値段です。

(版代が1版1~2万円するなど、けっこう高くつくんですよね…)

 

 

(これだって熱転写印刷ですよ)

 

バッグへの熱転写印刷などでも、

ロットが大きくなる(5,000個以上とか)と、

スケールメリットで少し安価になってきたり、

別注として中国でデジタル熱転写印刷を依頼したりと多少安くする方法はあります。

 

それでもシルク印刷に比べるとじゅうぶんに高くなり過ぎます。

 

高い高いとデメリットばかりを強調してしまいましたが、

転写プリントは高いなりには理由がありまして、

上質な転写シートに印刷をしたデザインを、そのまま貼り付けるので、

印刷品質や表現力はシルク印刷に比べて、

段違いに素晴らしいものです!

 

 

■疑似フルカラー印刷という方法

 

シルク印刷でも以前は、疑似フルカラー印刷ともいえるような、

「シルク分解」という方法で印刷を行うこともありました。

 

CMYKの色版をそれぞれで作り、

それぞれのインクを落としていくことで、

遠目で見るとフルカラー印刷のように見えるというものでした。

 

ただこれは、他のフルカラー印刷と比べると、

シルク版のメッシュ(インクが落ちる孔で構成する編み目)を

比較的大きくしないとインクが落ちていかないので、

色の点々が大きくなることから、

全体の色の再現性はボンヤリとしたものになります。

(色を構成するCMYKの…が大きい=テレビの液晶の画素を拡大したような感じでしょうか)

 

 

また、CMYKの4版だけでは全体的に

色は薄ボンヤリとしたものになってしまうため、

強調したいロゴなどは、別途特色版を作って名入れをする事が多く、

だいたい7版程度を作成することが多く、単価高騰の一因となっておりました。

(版代x7個分とか…)

 

それに加え、4~7版も重ね刷りを行うということは、「版ズレ」のリスクもかなり大きくなります。

 

デジタル転写印刷を含めた「フルカラー印刷」では、

版代がかかったとしても2版分程度で、版ズレリスクが無く、

結果コストを抑えることができます。

 

シルク分解は今であれば、風合いを楽しむものであって、

転写印刷に比べて、単価が安くなるから選ぶというものでは無くなっていますね。

 

ですが、今は、インクジェット印刷があります!

簡単に版ズレも無くフルカラー印刷が出来て、

版の作成が不要なので、版代が浮きます。

 

小ロットで作成しても印刷単価を比較的押さえられます。

 

■インクジェット印刷について

 

インクジェット印刷でも、大きく2つの流派に分かれます。

1つはコットン系素材に向いている「ガーメント印刷」

もう1つは樹脂製品に対する厚物印刷を行います「UVインクジェット印刷」です。

ガーメント印刷は、Tシャツやコットンバッグなど薄く平たい布状のアイテムへの印刷を行うものです。

一方の厚物印刷は、製品高さ(厚み)のあるアイテムへの紫外線で固まる性質のインクを用いた、

インクジェット印刷となります。

 

今回は弊社で取り扱いを行っている

「UVインクジェット印刷」について説明をします。

特長を簡単にまとめますと、

 

比較的簡単に

比較的安価で

名入れ作業が簡単

 

といういいことづくめの印刷方法です。

出始めの初期は、白いABS樹脂にしか出来ない、

下地の影響を100%受けてしまう、などの

弱点もいろいろありましたが、日進月歩で開発が進んでいく中、

その弱点を徐々に克服してきたのです。

 

そして今日、「版を作らないで良い」特長を活かして、

お客様のお名前やメッセージを彫り込んだ名入れギフトを作るなど、

わたしたちの『刻印名入れ.com』でも

UVインクジェット印刷で多くの記念品を作っているのです。

 

■UVインクジェット印刷で

     ‟個別名入れ完全対応”

 

でもUVインクジェット印刷って名入れ工場というところなど、

けっこう幅広く導入されておられますが、

『刻印名入れ.com』ならでは!というポイントがあります。

 

『個別名入れ 完全対応』!!

(一人ずつお名前を入れられます)

 

多くの名入れ印刷業者・記念品業者様は、

できるだけたくさんの注文を受注することを目的に営業をされて

おりますので、「個別名入れ」対応はあまりされておりません。

 

理屈上は出来たとしても、1つずつデータの入れ替えが必要で、

名入れ位置の合わせが難しかったりと、

かなり手間がかかってしまうためやられません。

 

 

ですが弊社では ‟名入れ記念品メーカー” ですから、

お一つずつお名前やデザインを入れ替えて作っております。

 

「個別名入れ」対応をさせていただいております。

 

折角、記念品を作られるのであれば、

「世界でたった一つのオリジナル」 がイイですよね!!

 

 

お名前だけではなく、イニシャルや会員番号、シリアルナンバー、

記念日の記載など、入れたい文字やロゴなどは

多種多様の対応ができます。

 

例えば、モバイルバッテリーに対して、

限定100個での受注生産の場合、

1~100までのシリアルナンバーを入れておくだけで、

とても大きなプレミアム感に繋がります。

 

ここは大きなアピールポイントです!!

 

■フルカラー印刷って、どうなの?

 

フルカラー印刷と言っても、オンデマンド印刷の1種であるUVインクジェット印刷は、

色は「出たナリ」となります。

 

「出たナリ」=「出たまんま」 という意味ですね。

色が合わない理由は原理的なところの要因なので、予めご理解をいただいておくしかありません。

 

パソコンやスマホの画面で見ているデータは、

‟光の三原色(RGB)” で構成させれいますが、

実際の印刷は‟色の三原色(CMYk)” で構成されているので、

それを印刷の際に、自動変換する際にも僅かに色は変わります。

 

そもそもの色の成り立ちから違うので、

もうコレはしょうがないよね~と思っておいて下さい。

 

厳密に言えば、液晶モニタなどはそれ自体が光っているのですが、

色(インク)は光が反射した光を、改めて目が認識をしたものです。

 

また同じインクを使った紙用の印刷でありますオフセット印刷とは違って、インク濃度の調整は出来ません。

 

パソコンから「印刷」ボタンを押して、プリンタドライバが勝手に色を分解して、濃度を調整するため、CMYKの各色を調整することは出来ないのです…

 

パソコンでも年賀状の印刷をインクジェット印刷でするときでも、

「印刷品質」=「きれい」程度の設定だけですよね?

 

 

少し昔話ではありますが、当時まだオンデマンド印刷という言葉が

名入れ業界にあまり馴染みが無かった頃、フルカラー印刷の事で

お客様から怒られたことを今でも覚えています。

 

「フルカラー印刷なんだったら、

 キッチリ【指定色】に合わせろ。

 何のためのフルカラー印刷だ!?」

 

……しかも、ノベルティの代理店をされていた方からのお怒りでした(;^ω^)えぇぇ、正気ですか?

 

インクジェット印刷は指定色通りには色を再現できませんというアナウンスへの反応でした。

 

「プロなんだったら、初めから諦めるのではなく、極限まで努力しろ」

と後に続きました。

 

そんなの無理です。原理的に無理なんです。無駄な努力です。

 

印刷については疎かったんでしょうね…

さらに20年ほど昔では(あわせて30年前)には、

フルカラー=4,096色 だと言われていた時代があったを知らないと見えます。

『総天然ショック』ですよ。南野陽子さんですよ。知りませんか?

 

パソコンで扱えるRGBの色諧調が16段階(16の三乗で4,096色)となり、

「なんて色数だ!」と興奮したのが懐かしいですね。

 

『フルカラー』『沢山の色数で多色を表現する』という定義です。

どんな色にも合わせるのではなく、色の掛け合わせで様々な色に近しい色で表現します、という意味です。

 

結局インクジェット印刷の原理を理解していないお客様への答えは、

「完璧に色合わせをするのであれば、もっと別の大幅にコストのかかる

完璧な調色を出来る印刷方法でするしかありません。

そのコストは出るのですよね? 」

となりました。もちろん、それ以降の返信はありませんでした。。。

 

世の中の原則として、

厳しい規準をクリアする=コスト(時間と手間と原材料代)がかかる

ということがあります。

 

印刷方法の原理が理解できていないくても、理屈は判ってもらえると思うのですが、きっと先ほどの人に言われせると、

「安かろう、悪かろう」みたいなマイナスな言い回しとなるのでしょうね。。。

 

 

■今回の結論

 

 ★5個~などの小ロット印刷で、フルカラー印刷をしたい★

 

 ★フルカラー印刷なのに、『個別名入れ』 をしたい★

 

 ★布アイテムではなく、厚物樹脂商品に対して

フルカラー印刷をしたい★

 

★フルカラー印刷だけど、オンデマンドの色は出たナリなので、

そういうものだと思ってください★

 

『刻印名入れ.com』 

株式会社トレジャー 服部まで

お問い合わせをお待ちしております。

 

 

以前にインクジェット印刷について、ちょっとまとめてみたので、こちらもご参照ください。

刻印内容のデータ入稿について<インクジェット印刷編>

 

 

 

今回は、以上。

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